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自分のパーソナリティを超える

前回、内向型/外向型の気質について書きました。

人は生まれながらに、それぞれ遺伝的な傾向をもった気質を備えています。

内向型/外向型でいえば、内向型は静的な環境が、外向型は動的な環境が舞台となったとき生き生きとした自分を感じられるでしょう。

人は「遺伝的パーソナリティ(気質)」と「環境」が一致すると物事がうまくいきます。

 

ですが、私たちの生活は自分のパーソナリティに合った場だけを選べるわけではありません。

 

内向型の人も、仕事で大勢の人を前にプレゼンテーションをしたり、ママ友とのつきあいで大勢の人たちとおしゃべりを楽しんだりする機会もあります。

 

また、外向型の人も、机に向かって黙々と資料をチェックしなければならないときもあるでしょうし、のんびりとした休暇を楽しみたいパートナーと意見が合わず、アクティブに過ごしたい思いが沸々と沸き上がるのを抑えるときもあるかもしれません。

 

 

でも、『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル)によれば、私たちには遺伝的パーソナリティを超えて行動する「自由特性」というものがあるそうです。

 

この「自由特性」は、パーソナリティ上苦手な環境であっても、目的の重要性によって発動する底力といった感じでしょうか。

それは、プロ意識であったり、誰かへの愛情であったり、自分のキャラを超えて目的を達成する、私たち誰もが底に秘めた変化適応能力です。

 

これによって、私たちはできることが広がり成長していきます。

 

ただし。

本来の自分のキャラとは異なるので高い心理的負荷がかかってきます。

 

そのためには「回復の場所」が必要。

内向型は、外向的に振る舞ってエネルギーが消耗したあとは、独り静かな場所でしっかり充電をする。

外向型が自分を抑えて静かに過ごしたあとは、刺激のあるところに出向いて刺激からエネルギーをもらうことが必要です。

 

内向型/外向型は、それぞれエネルギーの充電の仕方が異なるので、この違いを知っておくと、今よりもうちょっと自分をコントロールできるようになったり、自分とは違う他者への理解が深まって、相手の行動が少しわかるようになったりします。

 

 

心理学って面白いですよね。

 

私たちの気づかなかった行動原理を知ることで、自分や他者への理解が深まり、気持ちにゆとりが生まれます。

「なんで自分は・・・」「なんであの人は・・・」という答えのでない原因追求に長い時間頭を悩ませるのはつらいものです。

100%ではないにしろ、おおざっぱに自分や相手の特性と元気のあり方がつかめれば行動の方に意識を注ぐことができます。

 

 

今後もいろいろな角度から人間理解のヒントを探っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 

今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。