小学校4年生の頃の話になりますが、クラスの担任の先生が病気になり、2学期の間だけ代用の先生が来られたことがあります。
担任の先生は男性で年齢のいった厳格な人でしたが、代用の先生は女性で大きな瞳の優しい印象の人でした。
私は元来、内気な性格でおとなしめに日々を過ごしていましたが、ある日、授業で手を挙げたところ、当てられてしまい、立って自分の考えを話すことになりました。ですが自分の考えを上手くまとめられず、しどろもどろになりながらどうにかこうにか話し終えました。
すると私が答える間、大きな瞳でじっとこちらを見つめていた先生は、なんとクラスのみんなに向かって私の言いたかったことを要約して話してくれたのです。そのとき私の胸にこみ上げてきた嬉しさは今も当時の強さのまま私の記憶に残っています。
自分を受け止めてもらえた!
自分の言いたいことを理解してもらえた!
自分はみんなにとって聞くに値する意見を言うことができる!
小学生の私にとって、この出来事は非常にインパクトが大きく、その後、積極的に発言するようになり、人生の重要なターニングポイントになりました。完璧主義でモノゴトに臆病だった私が、ある程度ゆるい状態でもいいから、まず一歩踏み出してみる。そういった勇気と行動変化を与えてくださった先生に本当に感謝しています。
だから私は「聴いてもらうことのチカラ」を知っています。
そのチカラは勇気と自信を呼び起こしてくれる素晴らしいパワーを持っています。
それは計り知れないチカラで人生に長く影響をもたらしてくれるものでもあります。
私がいただいたパワーを今度は誰かにあげる番がきました。
これまで勤めていた会社のチームのみんなにもそのことを心がけてきましたが、これからはもっと多くの人にこの「聴いてもらうことのチカラ」を広げていけたらなと思います。
みなさんの中で眠っている可能性や自信、勇気が「聴いてもらうことのチカラ」によって目覚めてくれたら・・・。
こんなうれしいことはないですよね。