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自分でやりすぎない

改めてこれまでの自分の職場内での仕事のやり方を振り返ってみると、何でも自分でやり過ぎていたのかなと思います。

いい見方をすれば、向上心があって自分のスキルをどんどん高めていきたいという思いがあったといえるでしょう。

反対に悪い面に目を向ければ、他人に仕事をお願いしないことでその人の成長機会を奪っていたのかもしれないですし、頼ったり・頼られたりの人間関係が結果細ってしまったのかもしれません。

 

独りで仕事を進めることは、ロジックを組み立てやすいですし、作業もはかどって効率的です。

でも筋はきれいに通っていても、それで多くの賛同を得られるかというと必ずしもそうではありません。

やはり人間は一人ひとり違うので、それぞれ違った見方、考え方、力点の置き方をしています。

 

独りで仕事を仕上げてしまうと、多様なものの見方が練り込まれずに、やけに流れのいい企画ができます。

多様な意見を議論した上で、最後にそぎ落としてシンプルになったものは確信のある強いものになりますが、そのプロセスを端折ったものはやはりひ弱です。

 

1本の乾燥パスタは誰が見てもわかりやすものですが、折れやすいですし、おいしくもありません。

それよりは、パスタの束(いくつかの考え方)を時間をかけて熱湯で茹で、しなやかになり、でも芯を感じる弾力を残したところでソースで絡めて食べる方が、結果、満足度の高い体験になります。

 

この「パスタの束を時間をかけて熱湯で茹でるプロセス」がチームでの議論であり、「絡めるソース」は他者が付加してくれた魅力ということになるでしょう。そして、もうひとつ大事なことは「芯」がないフニャフニャまで茹でるのもどうかな?というところでしょうか。

 

 

これまで時代がずっと効率化を求めてきたことで、時間をかけて議論をするということが少なくなりました。

メールだけで仕事を進めるというのも当たり前の日常です。

人員の減少で「一人で仕事をこなす」という局面も多くなっていることと思います。

 

でも振り返って、いい仕事・結果がでた仕事というのは、関係者でそれなりに議論や調査に時間を費やし、チャレンジする価値への確信が高まったものであったように思います。そしてそこには、いい人間関係も一緒に育っていったのではないでしょうか。

 

もしも今、「自分ばかりが仕事をしている・・・」という思いが頭をよぎることがあるようであれば、「何か見直した方がいいかも?」というサインかもしれません。

他者に頼ってみる、他者から頼られる余裕を残すよう仕事の量や配分を見直してみるといったことが必要かもしれません。

 

管理職のみなさま、ご自身とチームはいかがですか?