スーパーに行くといろいろな銘柄や香りの食器用洗剤がずらりと並んでいます。
あなたはどんな食器用洗剤が好きですか?
そんなこと考えたこともない。一番お買い得な商品を買っているから、という人もいるでしょう。
また、その時々の気分にあった香りの商品を選んでいるから決まったものはない、という人もいるかもしれません。
それでも、ある程度決まった銘柄の中から買うという人が多いのではないでしょうか。
多くの商品から選ぶ作業は、楽しいようでいて意外と脳に負荷がかかるもの。
買わなければならないものはいろいろあるので、毎回ひとつひとつじっくり吟味しているわけにはいきませんよね。
さほど高い商品でなく、こだわりも低いものであれば、私たちはある程度満足したものを一度決めたら、次からその範囲内でパッと購入して済ませます。
もはや考える前にサッと手に取ってカゴに入れるという感じですよね。
でも、「ある程度満足する決まったモノ」にたどり着くまでには、いくつか試してみるのではないでしょうか?
実際に使ってみて、良し悪しを感覚で見極めていきますよね。
そしてたどり着いた結論は、「これが一番汚れが気持ちよく落とせて、香りもいいもの」という一言に尽きます。
異口同音にそうは言うのですが、実際使っている商品は人によってまちまち。
誰もが同じゴールにたどり着く「究極の商品」があるわけではありません。
それぞれにそれぞれの一番があるわけです。
これは一体どういうことなのでしょうか?
そう、それは人によって評価ポイントが違うから。
汚れ落ち、手肌へのやさしさ、香り、除菌・・・大まかにみても評価ポイントはいくつもあります。
更に「汚れ落ち」ひとつとっても、その評価は様々な観点・感覚から成り立っています。
汚れが落ちたという目に見える結果は当然のことながら、洗い終わった食器や調理器具の触感であったり、洗っている最中の洗剤の泡立ちと汚れの様子、洗い物にかかる時間、香りのスッキリ感、広告のイメージなど・・・様々な印象・実感が影響を及ぼし合っています。
そして、それら要素のどこに目を向けるかは人によって異なります。
人ぞれぞれ、自分にとっての「気持ちよく洗えている満足感」のセンサーが異なるんでしょうね。
視覚派の人もいれば、嗅覚派の人、触覚派の人もいることでしょう。
心地よさや信頼の拠り所をどこに求めるかは人によって違うので、同じ商品であっても「全員に同じように評価される」とは限らないということですね。
これは、人間関係に置き換えても同じことが言えます。
私というひとりの人間は、私にとってはひとつの像なのですが、他人はそれぞれ自分の評価軸で見ていますから、「全員に同じように私が見えている」・・・とは限りません。
人はそれぞれ自分が大切にしている価値観で自分も他人も見ています。
優しさを重視する人は、自分も相手も「優しいかどうか」で考えます。
まじめさを重視する人は、自分も相手も「まじめかどうか」で考えます。
面白さを重視する人は、静かな人が目に入っていないかもしれません。
でも、それはそれでいいんです。
地球全ての人がいいという「究極の人間」はいないのですから。
他人のことを意識し、参考にしたりするのは大事ですが、他人の評価軸に左右されてばかりだと自分を見失ってしまいます。
あなたには、あなたのよさがあります。
それは、ひとりひとり誰にでもあります。
いいと言ってくれる人もいれば、響かない人もいます。
でも、それが自然。
価値観は多様なのですから。
ひとりひとりが持っている「自分らしさ」。
それを掘り起こし、大事に育てていきたいですね。
同時に、他人の「その人らしさ」も尊重できるといいですね。
それがセルフ・ブランディングということなのかな、と思います。