計画通りに進まない!

「きちんと計画を立てて、モノゴトを進めていきましょう!」

仕事や勉強をするときに、よく言われることですよね。

 

でも、突発的なことが起こって計画通りに進まないこともよくあります。

あるいは、ある部分に時間がかかって、進行計画が崩れることもあります。

それでも余裕をみて計画を立てていれば、問題を吸収できるかもしれません。

 

しかし、これは工業生産的なものにはあてはまるかもしれませんが、サービス業や教育など人に関係した成果をテーマにしたものにはあてはまらないように思います。お客さんはいつくるかわからないし、勉強も内容理解がどの程度で進むのか読めない部分があるからです。

 

もちろん、データを活用して来客予測を立て、常に精度を高めるよう取り組むということは行われています。学習でも単元理解を数値化し、弱点を克服していくアプローチが取り入れられています。売上目標や志望校合格レベルに向かってとても効率的な作戦ですよね。

 

ただ、そこでちょっと心配なのは、「人のモチベーションが置き去りにされていないか?」ということです。

 

お店でいえば、店員さんとお客さんの人的な関わりが、お店への愛着・信用・継続利用を生み出すという側面があります。接客が楽しい、店員さんと一言言葉を交わすのがうれしいなど、「計画」という言葉には収まらない、でも影響力の大きい要素があります。

 

学習でいえば、モチベーションとは「そのことについてもっと詳しく知りたい!」という心の動き。目標達成のために「これを覚えていなければならない」という必要性からの学習とはちょっと違います。人は興味あるものに対しては、自然と好奇心が動き出します。その自発性が「計画」から生まれるのかどうか・・・。

 

 

計画は大切ですが、人的な活動で「計画の必達」までいくと、恒常的なストレス、完璧主義による人間関係の悪化、計画に合わせた数字の粉飾が起こってきます。それでは、何のために生きているのかわからなくなってしまいますよね。

 

計画と効率性を追求した先にあるのは、無人販売、自動配送、ロボット作業、機械学習(AI)。私たちが勉強したり、仕事をしたりしながらスキルを高めようとするのは、効率性の高いロボットになりたいからではありませんよね。笑

 

 

計画は大事。でも、目標を計画通りに必達しなければならないものと考えるのではなく、目標に向かって試行錯誤するプロセスを楽しめるかがもっと大事。楽しむためには、自分の中から湧き上がってくる「知りたい・やりたい」の欲求が必要です。これがモチベーション。

 

もちろん、目標への道は山あり谷ありで大変だけど、そこで頭を使ったり、思い切ってやってみたりすることで何かを達成したら、そりゃあもう、うれしいですよね。

 

計画通りに進まないのは当たり前。そこで、試行錯誤するからこそやりがいがある。それを支えるのは「自分がやりたいから」というモチベーション。やりたいことは人それぞれ違うから、多様性のある世の中がどんどん広がっていく。最も効率的なひとつのシステムに集約されていくのとは大違い。

 

そんな個々人のモチベーションを大切にする社会になるといいなと思います。