「自分について話してください」と言われたら、あなたはどのようなことを話しますか?
A:社会的なポジションや身体的な特徴などはっきりわかる属性
B:価値観や性格など内面的な特徴
人は常に「自分の行動」や「他人に与える印象」を客観的に自己観察して、適切な状態にコントロールしようと無意識に動いています。これを「セルフ・モニタリング」といいます。
そのコントロールの軸は対極的な2方向。
セルフ・モニタリングが高い人は、自分が人からどう見られるかを気にかけ、自分を状況に合わせるよう調整します。
一方、セルフ・モニタリングの低い人は、人目を気にせず、場の空気も読まず、自分の価値観に従って行動します。
セルフ・モニタリングが高い人は、状況に合わせて自分を変えることができるので、大勢の人と上手く関係を作っていくことが得意です。言ってみれば「世渡り上手」。ただし、場面場面で違った顔を見せるので、この人の本心はどうなのかが見えないといった側面もあります。
一方、セルフ・モニタリングの低い人は、いつもブレない強さがあります。それに対する信頼感も高いものがありますが、ときとしてその頑固さや柔軟性のなさに反発を招くことがあります。
このセルフ・モニタリングの両極を心理学研究者のブライアン・R・リトル氏は、著書『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』の中で「タマネギ」と「アボカド」に例えて解説しています。
「タマネギ」は、セルフ・モニタリングの高い人。
何層にも皮が重なっているけど、めくっていっても中心となる核のようなものがありません。
「アボカド」は、セルフ・モニタリングの低い人。
中に固い核があります。
上手い例えですよね。
このセルフ・モニタリングの高い低い。
どちらがいい悪いということではないのですが、どちらもあまりに極端だと自分が辛くなってしまいます。
周囲の状況に合わせてばかりだと、自分を見失って、人の顔色をうかがってしか動けなくなり、自分自身が消耗してしまいます。
一方、自分の考えを絶対曲げないとなると、対立や孤立ばかりで居場所を失ってしまいます。
一番いいのは、自分のセルフ・モニタリングの傾向、特に負の側面を自覚することで状況を冷静に眺められる目を持つこと。
ここは状況に合わせて行動した方がいいのか、自分の考えを強く主張した方がいいのか。
選択肢をもって判断すれば、勢いで行動して後から後悔するということも少なくなりますよね。
私は、どちらかといえば「アボカド」系。
だから、柔軟さを大切にしたいと思います!
あなたは、「タマネギ」系? それとも「アボカド」系?
ちなみに冒頭の質問「あなたが自分について話してくださいと言われたら何を話す?」
A:社会的なポジションや身体的な特徴などはっきりわかる属性
B:価値観や性格など内面的な特徴
Aなら「タマネギ」、Bなら「アボカド」です。
さて、どちらでした?