先日、新聞を眺めていると、読者投稿欄に「金子みすゞに学ぶ 寄り添う力」という寄稿が目に止まりました。
その寄稿には、金子みすゞさんは「魚や虫、花や木といった生き物だけではなく、風や鐘の音、金平糖など、自分以外のものにもなりきる名人だったと思います。どんなものにも寄り添える力があったからなのでしょう。」とつづられていました。
自然やモノに託して心情を表し、人々の気持ちに寄り添うとは、一体どんなものなのだろう・・・。
俄然、興味が湧いて、いてもたってもいられず、即、本を購入しました。
やはり自分の心で、その手触りを確かめてみたいですもんね。
金子みすゞさんといえば、東日本大震災の際にACジャパンのCMで流れた「こだまでしょうか」が思い出されます。
当時は、企業のCMがストップしていて、その穴を埋めるようにAC公共広告機構のCMが流されていました。
穴埋めする本数があまりにも多くて、何度も何度も同じものを見た(見せられた?)という記憶があります。
その時、金子みすゞさんの詩は気にはなっていたのですが、自分の中でじっくり味わうことなく流れていってしまったように感じます。向こうから勝手に何度も押し寄せてくるCMに対して、自然と情報処理を止めてしまったんでしょうね。
詩は、やっぱり自分のペースで、能動的に読み進めたいですね。
ということで。
金子みすゞさんの詩集を活字で体感してみました。
すごいですね。胸にキュッと刺さってきます。
優しさ、悲しみ、苦さ、喜び・・・。
様々な感情が、わずかな文字数の、しかも子供にもわかる易しい表現の中からにじみ出てきます。
こういった何気ない、でも重みのある心のちょっとした動きをすくい取るチカラこそ、新聞寄稿者が言っていた「学ぶべき寄り添う力」なんだろうなと思います。
金子みすゞさんの詩のように、心の扉が自然と開き、気持ちを通わせることができたら・・・。
自分はカウンセラーとして、まだまだまだまだ吸収しなければならないことがありそうです。
そしてそれが楽しくもあります。
時を超えて、リアルタイムで共感できたような金子みすゞさんの詩に出会えて、本当によかったです。
今回、読んだ本
「金子みすゞ名詩集」彩図社