今は大人になって独立してしまった私の子供たちがまだ小さかった頃のことです。
私は子供たちに
「おとうさんは、こわいんだよ」
と、言われたことがあります。
とてもショックでした。
自分は子供たちから否定されるような存在になっていたんだ・・・と気づかされて、悲しさと自己嫌悪の気持ちでいっぱいになりました。
でも一方で、そう思われても当然かもな、とハタと気づく冷静な自分もいて・・・。
とはいえ、やっぱり「あー、なにやってんだ俺」と、この事態にうろたえている自分もいて、なんとも、複雑でいろいろな思いが頭を駆け巡ったのを今でも憶えています。
当時、私は仕事の話は家庭では一切しませんでした。
仕事と家庭は、きちんと切り分けて行動しているつもりでした。
ただ、意識としてはそうだったんですが、無意識のレベルで会社でのストレスが「不機嫌な態度」となってあふれ出ていたのが実際です。半ばわかっていながらも、そのままにしていたのだと思います。
「不機嫌な態度」をとっていると、周りの人は気を遣います。周りの人が気を遣ってくれることで、「不機嫌な人」は自分の意見が尊重されたり、好き勝手に行動できたりします。言わば、不機嫌で人をコントロールして、自分に都合のいい環境を作ろうとしているんですよね。
「不機嫌な人(=私のこと)」は、自分の主観でしかものを考えられなくなっていますから、周りの人がいかに嫌な気分になっているのか考えも及びません。こうして悪い空気が広がっていき、人間関係を壊していきます。
そんなとき、
「おとうさんは、こわいんだよ」
と率直に指摘してくれる子供の存在は、本当にありがたいものです。自分が無意識のうちに誤った道に進んでいるところから目覚めさせてくれました。
さて、この子供の指摘に、私はどうしたのか。
この後、私は、「家族それぞれで目標を作って、ホワイトボードに書き出して、いつも見えるところに置いておこう」と提案して、自分は「いつも笑顔で」と書き込みました。
普段の生活行動の中で自然と毎日この言葉を目にし、気持ちが不機嫌な方に傾いてきたときには、更にこの言葉を意識して見ることで、気持ちを立て直す努力ができるようになりました。(もちろん、感情の波が消えたわけではありませんが、以前と比べると気持ちを自分でコントロールするチカラが格段に高まったと思います)
ストレスは誰にでもありますし、それによって不機嫌になることも当然あるでしょう。暮らしていれば、それが自然なことではありますが、そのストレスや不機嫌をどう解消するかは、本人次第。「不機嫌」で周囲の人をコントロールして環境を自分に合わせようとしても、それにはやっぱり無理があります。人を不幸にしますし、本人も結局、人とのつながりを失って孤立してしまいます。
自分の気持ちをどう扱うかは、やっぱり自分の責任なんですよね。
人に気を遣わせて調整するのではなく、なんとか自分で立て直す術を身につけたいものですね。
みなさんは、どうやって気持ちを切り替えていますか?