ブランディングとポジティブ心理学

ビジネスとは、人々の生活をよりよくするための提案。

 

その提案を、人々の目に止まり、利用してもらい、長く愛され続けるように働きかけていくのが企業活動であり、その諸活動に触れた結果、人々の頭の中にできた像がいわゆる「ブランド」です。

 

企業ブランドや商品ブランド、あるいは国家など様々な階層でブランドは形成されますが、みなさんも何らか好きなブランドを1つ、2つは持っているのではないでしょうか。

 

好きなスポーツチームやアーティストなんかは、わかりやすいですね。そのチームや個人に固有の「らしさ」があって多くの人が魅了され、ファンとなって応援したり、チケットやグッズなどを購入して、絆を深めていますね。

 

 

「ブランド」の起源は、家畜に自分の牧場のものである印として焼き印をつけたのが始まりと言われていますが、その話は少し置いておいて、現代のビジネスで言えば、「ブランド論」は、大きくは4つの進化ステップに区分されるのではないかと思います。

 

1・ブランド・イメージの時代

商品をとりまく様々な要素(思想・マーケティング要素)を広告クリエイティブに凝縮して可視化することで、「あの商品は、こういったものだ」というイメージを人々の頭の中に記憶しやすいものとして伝えていきました。

 

2.ブランド・エクイティの時代

ブランドは、認知、知覚品質、ロイヤルティなどで構成された無形資産であるという、経済的価値の側面からの有用性と測定可能性が示されて、広告領域から企業の事業領域の問題として広がりを見せました。

 

3.ブランド・アイデンティティの時代

無形資産であるブランドをどのように意図的に創るか、ということでブランド固有の提供価値と利用する人々との関係を構造的に整理し、規範として事業活動をコントロールする「戦略」が様々なカタチで展開されていきました。

 

4.ブランド・パーパスの時代

そして今、変動し先の読めない時代にあって、人々と共によりよい社会をどう創っていくか。人々と企業が社会を共創するという発想の元、そのベクトルがブランドを表し、共感がファンを形成していくという動きへと転じています。

 

この「人と企業でよりよい社会を共創する」という思想のベースが「ポジティブ心理学」であり、人々の幸福感をどのように高めていくのかの科学的な知見を実践に転じていくのが「今」というタイミング。そして、それがこれからの組織の在り方、人と人の関係の在り方を形作っていきます。(その辺りは海外で先行しているものの、日本社会は生存競争といった感が強く、ちょっと悲しい乖離を感じております)

 

人々が笑顔になる商品・サービスを生み出す組織は、どのようにしたら創っていけるのか?

そこで働く人々がどうしたら生き生きとした日々を送ることが出来るのか?

 

やりたいこと・やれること・挑戦が必要なこと。

 

私たちには、まだまだやるべきことがたくさんありそうです。

 

よりよい暮らしのために。