みなさんは、「ついついネガティブに考えてしまう・・・」というようなことはありませんか?
失敗したことが頭を離れなかったり、最悪の未来を想像してしまったり、相手から文句を言われるんじゃないかと身構えたり・・・。
でも実は、それ、人間にとって自然なことなんです。
人間には「ネガティビティ・バイアス」というものがあって、ネガティブなことに注意が向くようにできています。というか、進化の過程で、そういうネガティブなことに気づき、備えることが出来た者が生き延び、現在の私たちにつながっているわけです。
失敗から学んでもう少し上手いやり方を考えたり、災害を予想して事前に対策を立てたり、仲間と上手くやるためにいろいろ考えたり。そうした結果、脳も発達して、今や宇宙にも行ける動物になりました。
でも、「何でもないときにも、ふと嫌なことや不安が頭をよぎることがあるじゃない!」と思ったりしませんか?
何でもないときぐらい、静かで平和な気持ちでいたいですよね。
これは、「デフォルト・モード・ネットワーク」という脳の働き方によるもの。
安静時の脳は、実はまったく安静ではなく、記憶、言語、感情、心的イメージ、推論などに関連するシステムが活発に動いています。その結果、過去の経験を反芻したり、将来のことを考えたり、想像上の会話を繰り広げたりします。そしてそれは往々にしてネガティブな方向で思考を巡らせます。「ネガティビティ・バイアス」ですね。
これによって、過去の辛い経験を何度も思い返したり、心配事をあれこれ思い浮かべたり、自分や他人の欠点を裁いたりします。
このデフォルト・モード・ネットワークが沈静化するのは、何か集中してモノゴトを行っているとき。そのときは意識が自分の内側ではなく、集中の対象となる外側の出来事に向かっているからなんですね。
ですから、「暇な時に何で余計なことばかり考えてしまうんだろう・・・」というより「暇だからこそ、いろいろ考えてしまう」ということになります。
ネガティブなことで頭がいっぱいになってきたと感じたら・・・。
まずは何といっても気分転換。外に出て、散歩がてら季節の変化を発見するというのもいいですね。意識が外に向かって、楽しさを探索し始めます。
ああ、早く散歩にいい季節がやってこないかなぁ。