プロ野球のパリーグ「クライマックスシリーズ」ファーストステージ第3戦、ロッテ対ソフトバンクの試合は実に見応えのある試合でした。これほど劇的な幕切れは、いまだかつてなかったのではないでしょうか。ロッテファンの私としては記憶に焼き付くひと試合になりました。笑
試合はずっと投手戦のまま、0対0で延長戦へともつれ込みます。
しかし10回表、ついに均衡が破れ、ソフトバンクが3点をたたき出します。
ファンとしては情けない話ですが、私の脳裏には「ああ、これで終わりかもしれない・・・」と「負け」を受け入れていこうとする心理がじわじわと広がっていくのを感じました。ショックに備えて、自動的に心の中に受け入れ準備が進んでいったんですね。
しかし、選手たちは違いました。そして、球場にいるファンも。
10回裏、先頭の角中選手が、粘りに粘ってヒットを放ちます。続く、荻野選手が3塁前ボテボテの当りを、1塁まで全力で駆け抜け内野安打。
逆境を乗り越えていくには「情熱と粘り強さ」が鍵であると心理学は明らかにしていますが、まさに、角中選手と荻野選手は、それを目に見えるカタチで示してくれました。知識で学ぶよりも何倍もインパクトがあります。
勝ってファイナルステージに行くんだという「熱」と、何としても出塁して次につなげるんだという気持ちから生まれる「粘り強さ」。やっぱり、あきらめたらそこで終わってしまうんですよね。気持ちの強さがつくづく大事だなと改めて思いました。
その結果、生まれたのが続く藤岡選手のホームラン!なんと同点3ランです!
その後、岡選手がヒットで出塁。安田選手が右中間へ長打を放つと、岡選手が激走し、返球より一瞬早くホームイン。10回表のどん底から実に見事な大逆転を果たしました!
藤岡選手も、安田選手も「打った時のことは覚えてない」とヒーローインタビューで語っています。
これも、心理学でいうところの「フロー」。スポーツでは「ゾーンに入った」と言われるもので、極めて高い集中状態に入ったことで最高のパフォーマンスが引き出された結果といえるでしょう。
そして何より、こういった選手の気持ちを引き出したのが「環境」。すなわち、「球場のファンの大声援」にあったことは間違いないでしょう。その熱量が選手たちの気持ちを支え、「底力」を引き出したのだと言えます。
奇跡の大逆転。
でもそれは「奇跡」というよりは、球場のファンが「応援」で「いい環境」を創り、それによって選手は最後の最後「不安」から「やるべきこと」へ気持ちを切り替えて集中。持っている本来の力(底力)を発揮した「選手とファンが一体となって自分たちで生み出したもの」と言えます。運命の神様がもたらした「奇跡」ではなく「心理的好循環を生み出すことで勝ち取った勝利」なんですよね。
いや~それにしても、モノゴトはやっぱり簡単にあきらめちゃいけませんね。
粘り強くいきましょうね!