AI は幸せをもたらすのか?

昨今は、AI(人工知能 Artificial intelligence)が大注目で、あちこちで話題が尽きませんよね。

 

みなさんは、AI をどう捉えていますか?

大歓迎な人もいれば、大反対の人もいたり、「ん~よくわからない」といった感じの人のもちろんいて。その意見は様々だろうと思います。

 

でも、ひとつ確かに言えるのは、現在、高度に進化したAI は、様々な職業に影響を与えるんだろうなということ。

 

昔、広告の原稿作成を担う「写植屋」という業種がありました。しかし、パソコンの出現により今ではほとんど見ることがなくなりました。テクノロジーの進化で新しく生まれる産業があれば、当然それによって代替され、消えていく産業があります。

 

今回のAI で言えば、文章作成、音声読み上げ、絵の生成といった従来人間でなければできないだろうと思われていた分野までも射程に入ってきました。職業で言えば、事務職、企画プランナー、アナウンサー、脚本家、イラストレーター等々が少なからず影響を受けるのではないかと思います。

 

AI はアシスタント的に使えば、人間と共存し、少子化時代における強力なサポーターになると見込まれていますが、果たして本当にそう上手くいくのでしょうか?

 

確かに、文章を書くこと・書類をまとめること・絵を描くこと・企画アイデアを考えることなどが苦手な人、あるいはそこに時間もお金も掛けたくないという人や組織にとっては非常に助かりますから、どんどん推進したいという思いが芽生えるのも無理ないことです。

 

ただ、その一方で、苦しみながらも自分の考えを文字にしたり、絵を描いたり、企画を考えたりすることが好きな人にとっては活躍の場が少なくなるといった側面があります。

 

仮に、AI をアシスタント的使ったとしても、AI が8割がた完成させた仕事に最後ひと手間加えるだけで、本当に創作欲求が満たされるのか、私はやっぱり疑問を感じてしまいます。

 

低コストで高効率、一定レベル以上のパフォーマンスを追求するのは経済の原理。そこを追求した結果が機械化、さらにこの先のAI 化です。機械化は、それでも大量生産を可能にしたことで、多くの人の生活水準を一気に引き上げたというよい側面もありました(その裏で長時間の単純労働という苦痛も生み出しましたが)。今度のAI は何をもたらすんでしょうね・・・。 

 

仕事を経済効率からみると省力化は必然ですが、人間の側面からみると仕事は「熱中」「社会的意義・やりがい」「達成感」といったものを味わう機会でもあります。これらは、ポジティブ心理学で明らかにされた幸せをもたらす要素PERMA-VE(熱中 Engagement)、M(意義 Meaning)、A(達成感 Achievement)に該当します。これらが失われたら・・・。

 

もしかすると、AI の導入より「仕事の健全化」の方が人類の繁栄にとっては必要かもしれませんよ。

 

 

誰もが、自分が夢中になれる仕事に巡り合い、最高のパフォーマンスを発揮する。そして、その仕事にたどり着くまで、暮らしが大崩れしない程度の安心感をもったまま転職の試行錯誤ができる世の中。

 

そんな感じになるといいのになぁ・・・。

 

AI 時代は、改めて「仕事って?」を考えさせてくれます。