環境変化と生存脳

みなさんの身の回りは、変化していますか?

 

空き家や耕作放棄地が増えたりしている所もあれば、駅近の利便性が高いところでは新しい高層マンションや新築住宅が増えている・・・なんて所もありますよね。そのほか、近所の中小スーパーがなくなってとても困っているという人もいれば、新しくおしゃれなカフェがポツポツ増えてきていい感じ・・・なんていう場所もあるかもしれません。

 

このように街の景色は、日々変わっていますが、自分にすぐ関係しないものは流してしまうことが多いかもしれません。人は自分に危機が迫ってはじめて変化の意味に気づくということがよくあります。

 

 

ほかに環境変化といえば、大きなところでは地球環境の変化というものもありますよね。

 

これまで温暖化といっても、どこか遠いことのように感じていた人も、近年の猛暑や農作物へのダメージ、魚の生息域の変化など日々の生活や食卓に影響してくると、危機感を感じずにはいられなくなってきているのではないでしょうか。

 

この先の暮らしが、これまでと同じにはいかないのでは?と考えたりします。

 

 

こうしたゆるやかな大きな変化が常に進行している一方で、私たちは短期的な急激な変化も経験することがあります。転校、転職、異動、退職、結婚、出生・死別、病気・事故など・・・。

 

私たちは、絶えず変化する環境の中でいろんな感情を感じながらも、それにどうにか適応しながら暮らしています。

 

ダーウィンによれば、絶えず変化する環境に適応するために人間が用いる生存手段が「学習」。経験や情報から学びを得て、危機を乗り越え、命をつないでいくんですね。

 

 

私たちは、身体や精神的な危機に直面すると脳の深部(大脳辺縁系)が「警戒警報」を鳴らして危機に対応するようにできています。そして、その経験で得られた戦い方や逃げ方を学習して、新たな危機に無意識的に反応・対処することで、生き延びていきます。

 

しかし中には、小さな子供頃の環境下で学習し編み出した「自分の戦法」が、転校、就職、転職・異動、結婚など異なる環境に行った際に上手くはまらず、却って人間関係を損なう場合があります。頭の中では「警戒警報」が鳴っているのに、その対応策が効かないとなると大変。気持ちが追い詰められてしまい、苦しいですよね。

 

そんなときは、俯瞰してモノゴトを捉え直してみる必要があります。そうして新しい有効な対処法を見つけ、それを自分のものにしていく。その結果が「成長」というわけです。

 

しかし、新しいやり方を体得するには、やっぱり試行錯誤と継続的な意図的努力が必要。環境変化への対応が一朝一夕にはいかないのは、地球問題も自分問題も同じですね。

 

でも、立ちすくまず、何か前進してみることがすべての始まり、なんだと思います。