『日本人とは何者なのか』NHK BS番組を見て

NHK BS の番組『フロンティア』で、「日本人とは何者なのか」という特集を見ました。

 

みなさんは、自分のルーツとか家系図とかに興味はありますか?

 

自分は何者なんだろう?と考えた時に、他の人と違いには敏感ですぐ思い浮かぶのですが、共通項というのはなんかぼんやりしています。それは時代がどんどん多様化して、究極は「個」の尊重というところに向かっているからかもしれませんね。

 

以前は、同じ出身県であったり出身校であったり、同じ組織に所属していることが、個々人の結び付きを強めていたという印象があります。しかし今はそういった地理的属性よりも、同じ趣味・嗜好といったところで地理を超えた結びつき方の方が強いのかもしれません。

 

半面、そういった趣味・嗜好の結びつきがないと孤立してしまいがちな社会になったのかな、とも思います。

 

「共通項がなんかぼんやりしている」という感覚は、そういった時代背景があるように思います。

 

 

とはいえ、私たちは多くの人が「日本語」を話す、ある種、世界の他の地域とは違った文化をもつ土地に暮らしています。言葉は考え方や行動様式を推し進めていく道具ですから、同じ言葉が通じる人を増やして大きな集団を形成していったんでしょうね。

 

 

では、その始まりはどうだったのか・・・。

そこには私たち共通の原点であり、誰もが持つ根っこがあるように思います。

 

 

これまで、歴史の教科書では縄文時代の狩猟・採集生活から始まって、渡来人によってもたらされた稲作で定住・村社会が形成される弥生時代へと発展。その中で大きくなった村落(国)が各地に誕生し、覇権争いの後に大和王権に統合されていく。そんなことを習った記憶があります。

 

そういった物語的歴史を、NHK BS 『フロンティア』では科学の視点で化石遺伝子など様々な研究の最前線から、「人類のアフリカからの旅立ち」から「古墳時代における大陸各地からの移住」を経て「現代日本人」につながるサイエンス・ストーリーを高解像度(テレビの画質ではなく研究の精度のこと)でダイナミックに掘り起こしています。 ※詳しく知りたい方は、NHKプラスで番組をご覧ください。

 

 

そこから私が感じたのは、私たちの中にはアフリカから出て未開の地へ、先へ先へと歩みを進めた「冒険心」が誰にでもあるということ。そして、私たちは大陸各地からの多様な出自、言語文化を持った「多様性」を既に内包していること。そんな混沌とした多様性を持ちながらも一定の幅で「調和」し平和な期間を歴史上何度も創り上げてきた・・・という先人たちへの敬意です。

 

ご先祖様も大変だったんだろうな・・・。自分までつないでくれて、ありがとうございます。

 

 

そう、私たち人間はダイナミックな社会変化の中で生きているんですよね。そして、生き抜いてきた生命力があるんですよね。

 

近年、安定成長や長期停滞を経験してきたことで、私たちの感覚は結構、変化に弱く硬直化しているのかもしれません。

 

今こそ、先人たちの「冒険心」「多様性」「調和」の遺伝子を目覚めさせるときなのかもしれませんね。