みなさんは、人とのつながりを感じていないと不安ですか?
それとも、人とのつながりは「しがらみ」ばかりで、もっと自由でいたいと願うことが多いですか?
・・・・・どっちもありますよね。
これは人間の基本的な4つの心理的欲求のうちの2つなので、どちらも思うことがあるのは、ごくごく自然なことです。
ちなみに、4つの基本的な心理的欲求とは、
1.結びつき欲求
2.自由欲求
3.快感欲求
4.承認欲求
「人とのつながりを感じていたい」と思うのは、「結びつき欲求」の表れ。赤ちゃんはもちろん、子供は独りでは生きていけないので、生き延びるためにはそばにいて世話をしてくれる大人が不可欠です。
また、大人になってからも、人はお互いに支え合って生きています。買物ひとつとっても、作る人と売る人と買う人がいなければ成り立ちませんものね。
一方、「自由でいたい」と思うのは、自立につながる欲求です。「自分でやる!」と言ってきかない子供をよく見かけたりしますが、その姿を見ると、微笑ましさとたくましさを感じたりします。
人の行動を見て、マネしてみて、上手くいくと達成感を感じてもっとやろうとする。脳の仕組みと周りの人の働きかけが上手くかみ合わさって成長していくというのは、実に面白いですね。生物は本当によくできています。
でも、よく考えてみると「結びつき欲求」と「自由欲求」は相反するものじゃありませんか?
「結びつき」が強すぎると、行動が制限されて自由が効かなくなります。そうなると「自由欲求」が満たされないので不満がたまります。あるいは逆に、他者への依存状態から抜け出せなくなって、生きることに大きな不安を感じるようになってしまうこともあります。
反対に、「自由」を追求しすぎると、孤立したり、対立が発生したりします。孤立すれば基本的な「結びつき欲求」が満たされないので常に不安や寂しさを感じるようになりますし、対立が多ければ摩擦ばかりでへとへとになってしまいます。更に、そうした不安や摩擦をなくすために人をコントロールしようとすると、一層事態が悪化します。
要するに。
この「結びつき欲求」と「自由欲求」のバランスをいかに上手くとるか、ということが大切なんですよね。
でも、これがなかなか難しい。自分も周囲の環境も常に変化し続けていますから、常に右に行ったり左に行ったりと調整し続けているのが実際です。あー、しんど。
それでも、この「結びつき欲求」と「自由欲求」の関係を知っておくだけでも、自分の足場が見えて落ち着く感じはありませんか?少なくとも、何もわからず、状況に左右されてばかりの疲弊感とは違います。自分で、どっちかに偏り過ぎているなと気づけば、反対方向に重心をずらすことも可能になります。
多くの人に助けられながら、自分らしさを発揮して、楽しく、誰かの役に立っていく。
そんな「結びつき欲求」と「自由欲求」のバランス・ポイントを探っていきたいものです。
ぎったん、ばっこん。まるでシーソーみたいですね。笑