みなさんは、「自分を変えたいなぁ」と思ったことはありますか?
あるいは、「変わらなくちゃマズイ!」なんて思う局面もあるかもしれませんね。
でも多くの場合、「変わろう!」と決意しても、やがて熱が冷めていって相変わらず昔のままの自分で暮らしていたりします。昔ながらの自分でいても日常はゆるゆると続いていくので「まぁいっか」となりますよね。
学校のテストでひどい点をとって、その時は「これから勉強時間を倍に増やして頑張ろう!」と固く決意しても、すぐ元の暮らし方に戻っているというアレです。
仕事でも、世の中でテクノロジーややり方が進化していると聞こえてきても、自分の部署は昔ながらの方法を続けている、ということがよくあります。連続性が大事だし、慣れ親しんだ方法であれば作業や結果がある程度見通せます。変化することは非常に大きなエネルギーが要りますし、上手くいくかどうかもわかりません。手痛い損失が発生する恐れだってあります。
自分や自社の置かれている環境が変わらない限り、自分も変化しない方がラクだし、安定するし、効率的です。
一度安定してしまえば、「余計なエネルギーを使って、あえて苦しんでまでして安定から抜け出す、なんてありえない!」と考えるのも当然ですよね。
学校で成績が低空飛行でもこれまで進級できていれば、これからもこれまでの過ごし方で進級するだろうし、会社も永く存続していれば、今日明日でどうかなってしまうということもないだろうから、とりあえずこれまでのやり方を踏襲した方がスムーズにコトが運びます。
だから、人も組織も基本的には一度安定したスタイルを捨てたくありません。
基本、人間は変わりたくないんです。
変えたらどうなるかわからないから怖いし、不安です。それだったら、ダメなところが多くても今のままの方が先が予想できる分だけ安心です。
こうして、人の性格や組織の風土は変わりにくく安定したものになります。
でも周囲の人々やテクノロジーは常に変化していますから、自分は変わらなくても周囲の環境とのギャップは自然と生まれ、広がっていきます。
すると、「変化に対応しなければならない状況」と「変わりたくない自分」との間で葛藤が生まれます。
もちろん変わるのも変わらないのも自分の気持ち次第です。
変わらずにいることはそのままでラクなように思えますが、実は「変わらないよう努力」していて、周囲に反発したり、ストレスを抱え続けたりと、それなりにエネルギーを使っています。変わらないことも決してラクではないんですよね。
周囲の環境変化にともなって、常に周りに合わせて自分を変化させ続けるのはナンセンス(自分を失くしてしまうし、なによりも大変でシンドすぎる!)ですが、永く生きていると自分を進化させなければいけない局面が何度か訪れます。
そのとき、「変わらないよう努力(抵抗)するのか?」「変わるために努力するのか?」
どちらにもエネルギーが必要だとしたら、あなたならどうしますか?
まぁ、それはそのとき考える(笑)として、とりあえず「人は基本的に変わりたくないと思っている」ことを自覚しておくだけでも、状況を俯瞰的に眺める視座を与えてくれて、便利じゃないかなと思います。